製造工期を短縮するためには、個々の作業時間を短くするだけでなく、工程そのものを減らすという考え方も重要です。
装置には、複数の部品を組み合わせることで、一つの機能を持つ部位が数多くあります。
例えば、Pulley(プーリー)部であれば、
プーリー
シャフト
ベアリング
止め輪
ワッシャー
など、複数の部品から構成されています。
これらをすべて単品部品として調達すると、
部品手配 → 部品入荷 → 社内組立・調整 → 検査 → 装置へ組付け
という工程が必要になります。
一つひとつの作業時間は短くても、このような小さな組立工程が装置全体に数多く存在すると、製造工期を長くする要因になります。
最小機能部品として考える
そこで、「機能として成立する最小単位はどこか」という視点で部品構成を見ます。
Pulley部であれば、構成部品を一つひとつ購入するのではなく、Pulley ASSYという一つの機能部品として考えます。
複数の構成部品を最初からASSYした状態で調達できれば、社内で行っていた組立・調整工程を減らすことができます。
最小機能部品の活用(例:Pulleyアッセンブリ)
「複数の構成部品 → Pulley ASSYとして1部品化 → 標準化・多量化 → 回転在庫化 → 工期短縮」

さらに重要なのが「標準化」
最小機能部品としてASSY化しても、装置ごとに仕様が異なれば、その都度製作する必要があります。
そこで、同じような機能を持つ部位について、「本当にそれぞれ違う仕様が必要なのか」を見直します。
可能なものは同じ仕様へ統合し、標準化します。
標準化によって同じ最小機能部品を複数機種・複数箇所で使用できれば、使用数量を増やすことができます。
多量化できれば回転在庫も可能になる
使用数量が増え、継続的に使用する部品になれば、毎回受注してから製作する必要もなくなります。
一定数量を回転在庫として持つことも可能になります。
必要なときに在庫から供給し、使用した分を補充する。
こうすることで、最小機能部品そのものの製作期間を、量産機の製造工期から切り離すことができます
つまり、
最小機能部品化→標準化・統合→数量の増加→回転在庫化→必要時に即供給→製造工期短縮という流れです。
ケーブルアッセンブリも同じ考え方
身近な例では、ケーブルアッセンブリも同じです。
ケーブル、コネクター、ピンなどを個別に手配し、毎回社内で製作するのではなく、仕様を標準化して、
「ケーブルASSY」という一つの部品として調達します。
このような最小機能部品は、装置の中を見渡せば数多く存在します。
重要なのは、現在の部品構成をそのまま受け入れるのではなく、
「どこまでを一つの機能部品として扱えるか」という視点で製品構成を見直すことです。
小さな組立工程でも、それが装置全体に数多く存在すれば、大きな工数になります。
一つひとつを最小機能部品としてまとめ、さらに標準化・多量化・回転在庫化まで進める。
その積み重ねが、製造工期の短縮につながります。
なお、最小機能部品化は製造工期の短縮だけでなく、故障時のASSY交換を可能にし、MTTR(平均修復時間)の短縮にも有効です。
金言>部品を一つずつ作るのではなく、機能をひとかたまりで考える。
小さな工程をなくす積み重ねが、大きな工期短縮につながる。