工期を短縮しようとすると、
「組立作業をもっと早くする」
「作業時間を短縮する」
という発想になりがちです。
個々の作業時間短縮だけでは、工期短縮には限界があります。
そこで重要になるのが、**工程を平行して進める「平行生産」**です。
直列で作れば、工期は積み上がる
例えば、複数のユニットから構成される装置を考えてみます。
Unit Aを製作し、その後にUnit Bを製作する。
このような直列生産では、それぞれの製作期間が順番に積み上がります。
一方、各ユニットを独立して同時製作できれば、工期を短縮できます。
【説明図:工程並列化による工期短縮】
図のように、各ユニットを平行して製作し、最後にドッキングすることで、工程の待ち時間を削減できます。

作業を速くするのではなく、同時に進める
平行生産のポイントは、一つひとつの作業を無理に速くすることではありません。
ポイントは、直列工程の中から「平行化できる工程」を見つけることです。
例えば、A・Bの各ユニットを順番に製作すれば、Aの製作期間+Bの製作期間が必要になります。
これを平行して製作できれば、基本的には最も時間のかかるユニットの製作期間が全体工期を支配することになります。
工程の並列化によって、待ち時間を削減できるのです。
平行生産は、製造現場だけでは実現できない
ただし、「明日から平行生産にしよう」と言って実現できるものではありません。
平行生産には、
・各ユニットを独立して製作できること
・必要時期までに部品が揃うこと
・最終的に問題なくドッキングできること
が必要です。
つまり、平行生産を実現するためには、製造だけでなく、設計・調達を含めて事前に考えておく必要があります。
平行生産には、前章④の「調達改善」が前提となります。
必要時期に部品が揃わなければ、平行化した工程を開始できません。
平行生産できる構造を設計段階から考える
さらに重要なのが、装置そのものの構成です。
装置をどのような単位に分ければ、それぞれを独立して製作できるのか。
これは製造が始まってから考えることではありません。
さらに工期を短縮するには、装置構成そのものを見直すという考え方があります。
次章では「最小機能単位」について説明します。
まとめ
工期短縮というと、作業時間そのものを短くすることに目が向きがちです。
しかし、大きな工期短縮を実現するためには、
直列工程をどこまで平行化できるか
という視点が重要です。
そのためには、製造工程だけを見るのではなく、調達、装置構成、ユニット分割まで含めて考える必要があります。
工期短縮は、現場を急がせることではありません。
工程そのものを、短い工期で製作できる仕組みに変えることです。
金言>工期短縮は、作業を急がせることではない。直列工程を見直し、可能な工程を平行化することである。