~重大トラブルでは、まず信用確保に動く~
市場で重大なトラブルが発生すると、多くの企業は「一刻も早く原因を究明しなければならない」と考えます。
もちろん原因究明は重要です。しかし、真因は数時間や一日で判明するものではありません。
調査・解析・検証を積み重ね、初めて真因にたどり着くケースがほとんどです。
では、その間に何を最優先すべきでしょうか。
私が最も重要だと考えるのは、お客様との信頼を守ることです。
重大トラブルが発生した際には、責任者がお客様を訪問し、まずトラブルを発生させてしまったことをお詫びします。
その上で、
•現時点で把握している事実
•現在、原因究明を進めていること
•真因が判明し次第、改めてご説明に伺うこと を誠実にお伝えします。
この時点では、推測による説明や安易な約束をする必要はありません。
「現在調査中です。」
「責任をもって原因究明を進めます。」
その誠実な姿勢を示すことが重要です。
一方で、初動対応を誤るとどうなるでしょうか。
責任者が対応しない、説明が遅れる、自社に都合の良い説明を優先する、
このような対応は、お客様に
「この会社は問題を真剣に受け止めていない。」
という印象を与えてしまいます。
その結果、お客様との信頼関係は大きく損なわれます。原因究明が正しく行われ、技術的な問題が解決したとしても、失われた信頼を回復することは容易ではありません。
場合によっては、技術的な問題以上に、取引関係そのものへ大きな影響を及ぼすこともあります。
私は35年間、多くの市場トラブル対応を経験してきましたが、重大トラブルほど会社の姿勢が問われる場面はありません。
技術力だけでは、お客様の信頼を守ることはできません。
誠実な初動対応があるからこそ、お客様は原因究明の時間を待ってくださり、
その後の真因究明、恒久対策、再発防止へと建設的な議論を進めることができます。
市場トラブル対応とは、単なる技術対応ではありません。会社品格を実践で示す場なのです。
まとめ
重大トラブルでは、原因究明より先に、お客様との信頼を守る行動が求められます。
責任者が迅速に行動し、誠実に状況を説明し、最後まで責任を持って対応する。
その姿勢こそが会社への信頼を守り、その後の原因究明と再発防止を円滑に進める土台となります。
金言> 「重大トラブルでは、最初に守るべきものは製品ではない。お客様との信頼である。」