~現象ではなく、真因を追究する~
市場トラブルが発生すると、不具合を早く解消するために、部品交換や調整などの応急処置が行われます。
これらは市場への影響を最小限に抑えるために必要な対応です。しかし、それだけで問題が解決したと判断してはいけません。
応急処置はあくまでも現象への対応であり、原因究明ではないからです。
原因究明とは、不具合を直すことではありません。
「なぜ、その不具合が発生したのか。」
その真因を明らかにすることです。
例えば、部品が破損したとしても、
•設計に問題があったのか。
•部品加工に問題があったのか。
•組立方法に問題があったのか。
•使用条件が設計想定と異なっていたのか。
•複数の要因が重なって発生したのか。
このように、事実を積み重ねながら真因を追究していく必要があります。
一方で、「部品を交換したら直った」「調整したら正常になった」という結果だけで原因究明を終えてしまうと、根本原因は残ったままとなります。
その結果、同じ不具合が形を変えて再発し、お客様の信頼を再び失うことにもつながります。
私は35年間、多くの市場トラブル対応を経験してきましたが、原因究明は思い込みで行うものではありません。
現場で得られた事実を整理し、仮説を立て、検証を繰り返しながら、一つずつ可能性を絞り込んでいく技術的な思考プロセスです。
そして、真因が明らかになって初めて、適切な恒久対策を立案することができます。
原因究明の目的は、責任者や担当者を追及することではありません。
再発を防止し、お客様へより良い品質を提供することです。
まとめ
市場トラブルでは、応急処置だけで終わらせてはいけません。
現象と真因を切り分け、事実に基づいて真因を究明することが、恒久対策と再発防止につながります。
原因究明の質が、その後の品質向上を左右するのです。
金言> 「現象に対策しても再発は止まらない。真因に対策して初めて品質は向上する。」