戦略を開発コンセプトへ落とし込む
前回、3C分析やSWOT分析は、自社の立ち位置を整理するためのツールであり、
「どこで勝つか」を決めることが戦略である
と説明しました。
しかし、戦略が決まっただけでは製品は完成しません。
その戦略を開発メンバー全員が同じように理解し、設計へつなげる必要があります。
そのために私が活用してきたのが、「仮想カタログ」という考え方です。
仮想カタログとは
仮想カタログとは、製品が完成した姿をイメージしながら、
顧客へ提供する価値や競合との差別化を整理するためのツールです。
私は、細かな仕様を最初から作り込むことはしていません。
最初に整理するのは、
•この製品は誰に売るのか。
•顧客にどのような価値を提供するのか。
•競合に対して、どこで勝つのか。 この開発コンセプトです。
「どこで勝つか」を見える化する
競合製品を分析すると、「あれも必要。」「これも必要。」と、仕様がどんどん増えていきます。
しかし、それでは競合製品を追いかけるだけのキャッチアップ開発になってしまいます。
市場で選ばれる製品をつくるためには、
競合より優れた価値を一つでも明確にすることが重要です。
価格で勝つのか。
性能で勝つのか。
生産性で勝つのか。
信頼性で勝つのか。
すべてで勝つことはできません。
だからこそ、「どこで勝つか」を明確にすることが、開発コンセプトになります。
コンセプトが仕様をつくる
参考資料をご覧いただくと分かるように、細かな設計仕様は書かれていません。
整理しているのは、
•性能で何を実現するのか。
•生産性で何を差別化するのか。
•顧客へどのような価値を提供するのか。
という開発コンセプトです。
コンセプトが明確になれば、その後の仕様や設計は、この方向性に沿って具体化していくことができます。
私は、この進め方の方が実務では効率的であり、開発メンバー全員が同じ方向を向いて開発を進めることができると考えています。
参考資料 仮想カタログ例 添付
まとめ
仮想カタログとは、仕様書を作るためのものではありません。
「競合に対して、どこで勝つか」を見える化し、開発メンバー全員で共有するためのツールです。
市場で選ばれる製品は、仕様の積み上げだけでは生まれません。
明確な開発コンセプトがあり、そのコンセプトを全員で共有して初めて、競争力のある製品が生まれるのです。
本質
仮想カタログは仕様書ではない。
開発メンバー全員が同じ方向を向くための開発コンセプトである。
金言>
仕様は競合を追いかけても生まれます。
しかし、競争力はコンセプトからしか生まれません。