― Up Timeとは 装置が稼働している時間
Down time(停止時間)は 以下に大別されます
①Un-schedule Down time(トラブルによる停止時間)
関連因子;MTTR、MTBF
②Schedule Down time(メンテナンス時間)
関連因子;PM
Up Time説明図>

― まず市場の現状を把握し、全体像をつかむ
半導体製造装置や一般産業機械では、性能や生産性だけでなく、市場で安定して稼働し続けることが重要です。
どれだけ高性能な装置でも、故障やメンテナンスによる停止時間が長ければ、お客様の生産に影響を与えてしまいます。
そのため、新規装置開発では、
「Up Time ○%以上」といった目標を設定します。
しかし、単に「Up Timeを上げる」というだけでは、具体的な開発活動にはなりません。
まず必要なのは、市場で稼働している装置の現状を正しく把握することです。
■ Up Timeだけを見ても、改善すべきことは分からない
Up Timeを考えるうえで重要なのは、稼働率という一つの数字だけを見るのではなく、装置がなぜ停止しているのかを見ることです。
その主要な因子として、
PM(Preventive Maintenance) 定期メンテナンスによる停止
MTTR(Mean Time To Repair) 故障から復旧するまでの平均修復時間
MTBF(Mean Time Between Failures) 故障と故障の平均間隔があります。
したがって、最初に把握するのは、
現状Up Time
+ PM
+ MTTR
+ MTBF
です。
Up Timeだけでなく、そのUp Timeを構成している各因子まで市場実績から把握する。
ここがUp Time改善の出発点です。
参考)MTBF説明図>

参考)MTTR説明図>

■ Up Time 95% → 98%は、単なる3ポイント改善ではない
例えば、市場装置の現状Up Timeが95%で、新規開発装置の目標を98%とします。
数字だけを見ると、95% → 98%ですから、3ポイントの改善に見えます。
しかし、Down Time(装置停止時間)で見ると、5% → 2%です。
つまり、現在の停止時間を、60%削減する必要があります。
「Up Timeを3ポイント改善する」と考えるのと、
「Down Timeを60%削減する」と考えるのでは、開発課題としての見え方は大きく変わります。
Up Time 95%→98%を、Down Time 5%→2%として捉えた例>

■ では、その60%を何で改善するのか
ここからが、具体的な開発の始まりです。
Down Timeを60%削減するといっても、
PMをどこまで減らすのか。
MTTRをどこまで短縮するのか。
MTBFをどこまで伸ばすのか。
を決めなければ、実際の開発活動にはつながりません。
そのためには、最初に把握したPM・MTTR・MTBFの現状値をもとに、それぞれの目標値を設定する必要があります。
つまり、
Up Time目標を決めるとは、PM・MTTR・MTBFという各因子の目標まで具体化すること。
ここまでできて、初めてUp Time改善のシナリオが成立します。
次回は、目標Up Timeを実現するために、PM・MTTR・MTBFへどのように改善バジェットを設定するのかをご紹介します。
金言>Up Timeだけを見ても、改善策は見えない。
まず市場の事実を知り、その構成因子まで分解して考える。