【実践知 開発編】⑲Up Time目標を各因子へどう割り振るか

⑱では、Up Time改善の第一歩として、市場装置のUp Timeと、その主要因子であるPMMTTRMTBFの現状を把握することをご紹介しました。

例えば、

現状Up Time95
目標
Up Time98

であれば、Down Timeは、5% → 2

つまり、停止時間を60%削減する必要があります。

では、この60%を何によって改善するのか。 ここからが、具体的な目標設定です。

Up Time目標だけでは、開発目標にならない

「Up Time 98%」という目標だけを設計・サービス部門へ示しても、何を、どこまで改善すればよいのかは分かりません。

そこで、⑱で把握した市場実績をもとに、

PMをどこまで減らすのか。
MTTRをどこまで短縮するのか。
MTBFをどこまで伸ばすのか。

それぞれについて目標値を設定します。

つまり、

現状PM → 目標PM
現状MTTR → 目標MTTR
現状MTBF → 目標MTBF

へ落とし込んでいきます。

これが、Up Time目標に対する各因子への改善バジェット設定です。

■ 各目標を入れて、Up Timeが成立するか試算する

PM・MTTR・MTBFの目標値は、それぞれ独立して決めればよいわけではありません。

重要なのは、その目標値を実現した時、本当に目標Up Timeが成立するのか。です。

そこで、PM・MTTR・MTBFの各目標値を入れて、Up Timeを試算します。

例えば、

PMをここまで削減する。
MTTRをここまで短縮する。
MTBFをここまで伸ばす。

その結果、

目標Up Time 98%が成立する。

ここまで確認できれば、

Up Time 98%を実現するために、各因子をどこまで改善するのか」という開発シナリオが数値として成立します。

■ 各因子の現状値と目標値をSetする

目標が決まれば、次に見るべきものは非常に明確です。

現状値と目標値のGapです。

「何を改善するのか」ではなく、
「どれだけ改善しなければならないのか」
が数字で見えるようになります。

Image例>

 Gapが決まれば、次は「何がそのGapを生んでいるか」

各因子のGapが明確になれば、次はその中身を分析します。

例えばPMなら、

どのPM項目が停止時間を大きくしているのか。

MTTRなら、どの故障アイテムの修復に時間がかかっているのか。

MTBFなら、どの故障アイテムが故障頻度を押し上げているのか。

というように、具体的なアイテムへ分解します。

アイテムを分析する
→ 課題が見える
Gapを埋めるための施策を決める。

ここから先が、具体的な改善活動です。

■ 目標値を「掛け声」から「実行計画」へ変える

Up Time改善の目標設定を整理すると、

目標Up Timeを決める

PMMTTRMTBFへ改善バジェットを割り振る

各目標値で目標Up Timeが成立することを確認する

現状値とのGapを明確にする

Gapを生んでいるアイテムを分析する

具体的な改善施策へ落とす

という流れになります。

単に、「Up Time 98%を目指す」ではありません。

PMMTTRMTBFをどこまで改善すれば、その98%が成立するのか。

ここまで数値でつなげて、初めて具体的な開発計画になります。

次回以降は、このGapを実際にどう埋めていくのか、

PM時間をどう減らすか
MTTRをどう短縮するか
MTBFをどう伸ばすか として、それぞれご紹介します。

金言>Up Time目標は、数字を掲げるだけでは動かない。
PM・MTTR・MTBFへ改善バジェットを割り振り、成立性を確認して初めて実行計画になる。

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