良いSOPを作れば、誰が見ても作業方法と品質管理ポイントが分かるようになります。
しかし、SOPを作り、作業者へ教育しただけで品質は保証できるでしょうか。
答えは「No」です。
教育を受けたことと、その作業を正しくできることは同じではありません。
「教育した」と「できる」は違う
製造現場では、SOPを説明した。
教育を実施した。教育記録にもサインした。
これで「教育完了」としている場合があります。
しかし、重要なのは教育を実施したという事実ではありません。
作業者がSOPを理解し、実際に正しく作業できるかです。
特に品質に影響する重要作業では、理解しただけでは不十分です。
実際に作業してもらい、
「正しい手順で作業できているか」
「使用する工具を正しく扱えるか」
「品質管理ポイントを理解しているか」
「異常を正しく判断できるか」 を確認する必要があります。
作業許可という考え方
そこで重要になるのが、作業許可です。
教育を受けた人すべてが、すぐに単独で作業できるのではありません。
教育→実作業・訓練→力量確認→上司・責任者による承認(作業許可)というプロセスを設けます。
一定の力量に達したことを確認して、初めてその作業を単独で行うことを許可する。
これによって、
「教育したから作業させる」から、
「できることを確認してから作業させる」へ変わります。
特に重要作業では力量管理が必要
すべての作業を同じレベルで管理する必要はありません。
品質への影響が大きい作業ほど、力量確認を明確にすることが重要です。
例えば、締付け、調整、配線・配管、検査など、作業者の技能や判断によって品質が変わる工程です。
誰が、どの作業を許可されているのか。
これを明確にしておけば、経験のない作業者が重要作業を単独で行うことも防げます。
つまり、品質を人任せにするのではなく、人の力量そのものを管理するという考え方です。
SOPと作業許可はセットで考える
前章⑧では、SOPは、誰が作業しても同じ品質を再現するための標準と説明しました。
しかし、標準があるだけでは品質は作れません。
正しい標準があること。
その標準どおり作業できる人がいること。 この二つが揃って、初めて安定した製造品質につながります。
そして、教育・作業許可を行っていても、実際の製造現場では想定外のことが起こります。
そのとき、「何かおかしい。でも作業を続けよう」では品質・安全を守ることはできません。
次章では、異常や疑問を感じたときに作業を止める、
⑩ STOP WORK ~迷ったら止める文化~について説明します。
金言>教育したことが品質保証ではない。
「できる」ことを確認して、初めて作業を任せる。