【実践知 開発編】⑱Up Time改善をどう開発へ落とし込むか

― Up Timeとは 装置が稼働している時間

 Down time(停止時間)は 以下に大別されます

 ①Un-schedule Down time(トラブルによる停止時間)

   関連因子;MTTR、MTBF

 ②Schedule Down time(メンテナンス時間)

   関連因子;PM

  Up Time説明図>

まず市場の現状を把握し、全体像をつかむ

半導体製造装置や一般産業機械では、性能や生産性だけでなく、市場で安定して稼働し続けることが重要です。

どれだけ高性能な装置でも、故障やメンテナンスによる停止時間が長ければ、お客様の生産に影響を与えてしまいます。

そのため、新規装置開発では、

Up Time ○%以上」といった目標を設定します。

しかし、単に「Up Timeを上げる」というだけでは、具体的な開発活動にはなりません。

まず必要なのは、市場で稼働している装置の現状を正しく把握することです。

Up Timeだけを見ても、改善すべきことは分からない

Up Timeを考えるうえで重要なのは、稼働率という一つの数字だけを見るのではなく、装置がなぜ停止しているのかを見ることです。

その主要な因子として、

PMPreventive Maintenance 定期メンテナンスによる停止

MTTRMean Time To Repair 故障から復旧するまでの平均修復時間

MTBFMean Time Between Failures 故障と故障の平均間隔があります。

したがって、最初に把握するのは、

現状Up Time
PM
MTTR
MTBF

です。

Up Timeだけでなく、そのUp Timeを構成している各因子まで市場実績から把握する。

ここがUp Time改善の出発点です。

 参考)MTBF説明図>

 参考)MTTR説明図>

 

Up Time 95% → 98%は、単なる3ポイント改善ではない

例えば、市場装置の現状Up Timeが95%で、新規開発装置の目標を98%とします。

数字だけを見ると、95% → 98ですから、3ポイントの改善に見えます。

しかし、Down Time(装置停止時間)で見ると、5% → 2です。

つまり、現在の停止時間を、60%削減する必要があります。

「Up Timeを3ポイント改善する」と考えるのと、
「Down Timeを60%削減する」と考えるのでは、開発課題としての見え方は大きく変わります。

Up Time 95%→98%を、Down Time 5%→2%として捉えた例>

■ では、その60%を何で改善するのか

ここからが、具体的な開発の始まりです。

Down Timeを60%削減するといっても、

PMをどこまで減らすのか。
MTTRをどこまで短縮するのか。
MTBFをどこまで伸ばすのか。

を決めなければ、実際の開発活動にはつながりません。

そのためには、最初に把握したPMMTTRMTBFの現状値をもとに、それぞれの目標値を設定する必要があります。

つまり、

Up Time目標を決めるとは、PMMTTRMTBFという各因子の目標まで具体化すること。

ここまでできて、初めてUp Time改善のシナリオが成立します。

次回は、目標Up Timeを実現するために、PMMTTRMTBFへどのように改善バジェットを設定するのかをご紹介します。

金言>Up Timeだけを見ても、改善策は見えない。
まず市場の事実を知り、その構成因子まで分解して考える。

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