前回は、設計レビューによって開発仕様やFMEAへの対応、技術的根拠を確認することの重要性について説明しました。
設計レビューを終えた後、いよいよ図面を出図します。
しかし、その前に必ず実施しなければならない重要な工程があります。
それが検図です。
検図にはやり方がある
多くの企業では、検図を「図面の誤りを確認する作業」と考えています。
もちろん、寸法や公差、材質、表面処理などを確認することも重要です。
しかし、それだけでは十分ではありません。
検図には確認する順番と観点があり、そのやり方を理解して初めて設計品質を保証することができます。
単品図面だけ見ても品質は保証できない
単品図面が成立していても、装置全体として成立しているとは限りません。
そのため検図では、
•組立図との整合
•配管図・配線図との整合
•関連Unitとのインターフェース
•部品同士の干渉
•組立性・保守性
など、装置全体との関係を確認する必要があります。
つまり、部品ではなく、製品として成立しているかを見ることが重要なのです。
性能・製造・コストの視点で確認する
検図では図面だけを見るのではありません。
•性能は満足できるか
•製造しやすいか
•組み立てやすいか
•保守しやすいか
•コスト面で無駄はないか
という観点から確認します。
設計者が見落とした課題を第三者の視点で発見し、出図前に改善することが検図の重要な役割です。
E-BOMとの整合も重要な検図である
検図で見落とされがちなのが、E-BOMとの整合確認です。
図面が正しくても、E-BOMとの整合が取れていなければ、
•部品の発注漏れ
•数量間違い
•誤発注
などが発生し、製造工程へ大きな影響を与えます。
図面とE-BOMは、一つの製品情報として整合していなければなりません。
品質は製造現場から学ぶ
検図は、一度実施して終わりではありません。
設計品質を継続的に向上させるためには、製造工程で発生した不具合を収集・分析することが重要です。
分析では、
•この不具合は、設計段階で防ぐことができたのか。
•適切な検図を実施していれば、出図前に発見できたのか。
という視点で原因を整理します。
その結果をもとに、検図の観点やチェックポイントを見直し、設計部門へフィードバックすることで、同じ問題の再発防止につなげます。
検図とは、経験や勘だけで行うものではありません。
製造現場で発生した事実を品質改善へ活用することで、検図レベルは向上し、設計品質も継続的に向上していきます。
この分析と改善活動は、設計品質を継続的に高めるための重要なマネジメントです。
製造工程の不具合を分析し、「設計で防げたのか」「検図で防げたのか」を整理し、
設計へフィードバックすることは、設計マネージャーの重要な役割の一つです。
このような課題はありませんか?
検図は実施しているものの、
•単品図面しか確認していない
•組立図や関連図面との整合確認が十分ではない
•E-BOMとの整合確認ができていない
•同じような製造不具合が繰り返し発生している
•製造工程で発生した不具合が、設計品質向上へ十分に活かされていない
このような状況は、多くの開発現場で見受けられます。
検図のやり方を見直し、製造工程で発生した不具合を設計改善へ活用することで、設計品質は着実に向上します。
検図の仕組みづくりやチェック観点の整理、設計品質向上の進め方についてお悩みがありましたら、35年間の半導体製造装置開発で培った実践経験をもとにご支援いたします。
本質
検図とは図面を確認する仕事ではありません。性能・製造・品質・コストを考慮しながら、製品として成立しているかを確認し、市場トラブルを未然に防ぐ品質保証活動です
まとめ
検図は、図面の誤りを見つけるためだけの作業ではありません。
組立図や関連図面、E-BOMとの整合を確認し、性能・製造・品質・コストまで含めて製品全体を確認する品質保証活動です。
さらに、製造工程で発生した不具合を分析し、「設計で防げたのか」「検図で防げたのか」という視点で設計へフィードバックすることで、検図レベルは向上し、設計品質も継続的に高まっていきます。
品質は一人の設計者だけで作られるものではありません。設計・検図・製造が学び合い、改善を積み重ねることで、より高い品質が実現されるのです。
金言>
検図とは図面を見る仕事ではない。
製品として成立しているかを確認し、市場トラブルを未然に防ぐ品質保証活動である。