【実践知 製造編】⑨ 教育しただけでは品質は保証できない

良いSOPを作れば、誰が見ても作業方法と品質管理ポイントが分かるようになります。

しかし、SOPを作り、作業者へ教育しただけで品質は保証できるでしょうか。

答えは「No」です。

教育を受けたことと、その作業を正しくできることは同じではありません。

「教育した」と「できる」は違う

製造現場では、SOPを説明した。
教育を実施した。教育記録にもサインした。

これで「教育完了」としている場合があります。

しかし、重要なのは教育を実施したという事実ではありません。

作業者がSOPを理解し、実際に正しく作業できるかです。

特に品質に影響する重要作業では、理解しただけでは不十分です。

実際に作業してもらい、

「正しい手順で作業できているか」
「使用する工具を正しく扱えるか」
「品質管理ポイントを理解しているか」
「異常を正しく判断できるか」 を確認する必要があります。

作業許可という考え方

そこで重要になるのが、作業許可です。

教育を受けた人すべてが、すぐに単独で作業できるのではありません。

教育→実作業・訓練→力量確認→上司・責任者による承認(作業許可)というプロセスを設けます。

一定の力量に達したことを確認して、初めてその作業を単独で行うことを許可する。

これによって、

「教育したから作業させる」から、
「できることを確認してから作業させる」
へ変わります。

特に重要作業では力量管理が必要

すべての作業を同じレベルで管理する必要はありません。

品質への影響が大きい作業ほど、力量確認を明確にすることが重要です。

例えば、締付け、調整、配線・配管、検査など、作業者の技能や判断によって品質が変わる工程です。

誰が、どの作業を許可されているのか。

これを明確にしておけば、経験のない作業者が重要作業を単独で行うことも防げます。

つまり、品質を人任せにするのではなく、人の力量そのものを管理するという考え方です。

SOPと作業許可はセットで考える

前章⑧では、SOPは、誰が作業しても同じ品質を再現するための標準と説明しました。

しかし、標準があるだけでは品質は作れません。

正しい標準があること。
その標準どおり作業できる人がいること。
この二つが揃って、初めて安定した製造品質につながります。

そして、教育・作業許可を行っていても、実際の製造現場では想定外のことが起こります。

そのとき、「何かおかしい。でも作業を続けよう」では品質・安全を守ることはできません。

次章では、異常や疑問を感じたときに作業を止める、

STOP WORK ~迷ったら止める文化~について説明します。

金言>教育したことが品質保証ではない。
「できる」ことを確認して、初めて作業を任せる。

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