品質改善やトラブル解析では、5Why(なぜを繰り返す手法)が広く使われています。
私自身も、長年現場で活用してきました。
しかし、
私は現場でこんな場面を何度も見てきました。
「5Whyは実施しました。」「Fishboneも作成しました。」
しかし、トラブルは長期化する、再発する。
改善が進まない。なぜでしょうか。
私は、その理由はとてもシンプルだと思っています。
手法を使うことが目的になっているからです。
5Whyは、「なぜ」を5回書くことが目的ではありません。
Fishboneも、図を書くことが目的ではありません。
どちらも、
真因を見つけるための思考を助ける道具です。
では、
5Whyは何のために行うのでしょうか。
私は、真因候補の分解能を高めるためだと考えています。
「なぜ」を繰り返すことで、原因の候補を細かく洗い出します。
これは、発散のプロセスです。
しかし、候補をたくさん出しただけでは、真因にはなりません。
ここからが本当に重要です。
洗い出した候補が、本当に現場で起きた事象を説明できるのか。
これを一つずつ検証していきます。
正常時との違いは何か。/変化点はないか。/データは一致しているか。/現物はどうなっているか。
仮説を立て、検証し、不要な候補を消していく。
この収束のプロセスを経て、初めて真因へたどり着きます。
私は、
真因とは、事象を論理的に説明できる原因だと考えています。
逆に言えば、
事象を説明できないものは、原因ではありません。まだ仮説です。
経験を積んだ技術者は、
Fishboneや5Whyを書かなくても、頭の中で同じことを考えています。
現場の事実から仮説を立て、検証し、さらに絞り込む。
だから、比較的短時間で真因へ近付くことができます。
一方で、説明が必要な場面では、Fishboneを書くこともあります。
つまり、ツールは思考を整理し、共有するために使っているのです。
私は、
Fishboneや5Whyを否定しているわけではありません。
むしろ優れた手法です。
しかし、ツールありきになってしまうと、本質を見失います。
大切なのは、手法を覚えることではありません。手法の意味を理解し、どう使うかです。
このようなお悩みはありませんか?
現場では、
•5Whyをやっても再発する。
•Fishboneを書いて終わってしまう。
•真因解析が形だけになっている。
•候補はたくさん出るが、決め手がない。
このような場合、問題は手法ではありません。
本質を理解せず、手法だけを使っていることにあるのかもしれません。
私は、手法を教えるだけではなく、
現場の事実から真因へたどり着く思考プロセスを大切にしています。
金言>ツールを使うことを目的にしてはいけない。本質を理解するためにツールを使うのである。
5WhyもFishboneも、思考を助ける優れた道具です。
しかし、答えを出すのはツールではありません。
現場を見て、事実を集め、仮説を立て、検証し、本質へたどり着く思考力。
私は、それこそが真因解析の本質だと考えています。